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UGCとインフルエンサーの活かし方。保存・シェアが起きる商品にする

フォロワーの多い人に投稿してもらっても、その日だけ少し伸びて終わる。翌週には数字が戻ります。もらった動画もLPに貼ったきり眠っている。広がりが続かないのは、投稿より先に「投稿したくなる商品か」を詰めていないからです。誰に頼むかより前に、商品を手に取った時点で半分は結果が決まっています。現場で何度もそう感じてきました。

この記事では、インフルエンサーマーケティングの始め方として、インフルエンサーの選び方、UGC(お客さんが自分から上げる投稿)が回る商品の条件、InstagramとTikTokで効く指標の違いを書きます。集めた素材を広告やモールの商品ページまで回しきるところまで扱います。商品の組み立て方は売れるEC商品は「逆算」で決まるに詳しいので、あわせて読んでもらえると話が早いです。

インフルエンサーはフォロワー数で選ぶと文脈を外す

インフルエンサーは届く人数で大体3つに分かれます。フォロワー100万以上のメガ、10万から100万のミドル、1万から10万前後のマイクロ、数千人規模のナノ。人数が少ないほど距離は近くなります。多くの担当者がフォロワー数の多い順に候補を並べます。でも、ここでつまずきます。

メガは広い層に一気に届きます。代わりにフォロワーとの距離が遠い。「あの有名人が持っていた」までは伝わっても、「自分も今すぐ買う」までは動きにくいんです。

マイクロはその逆で、人数は少なくても距離が近い。数千人が相手でも、その人が「これ本当に良かった」と言えば、普段からその投稿を追っているフォロワーは素直に買ってみようと思えます。美容やサプリのように、納得してから財布を開く商材ほど、この近さが売上に出ます。

メガは広く届き、マイクロは買う理由まで近く届く。商材によって効く層が変わります。
メガは広く届き、マイクロは買う理由まで近く届く。商材によって効く層が変わります。

フォロワー50万のアカウントに頼んで、再生は回ったのにカート投入はほとんど動かなかった。よくある光景です。その人のフォロワーが求める話題と、こちらの商品の話題がズレていれば、何十万人に届いても伝わりません。確かめたいのは人数より、誰の生活の中に置いて見せるかです。同じサプリでも、美容系のアカウントで見せるか、忙しい人の時短系で見せるか。同じ商品でも刺さる相手がまるで変わります。

目的で依頼の仕方は変わる

誰に頼むかの次は、どう頼むか。インフルエンサー施策の頼み方は、大きく3つに分けて考えると整理しやすいです。ひとつは投稿1本ごとに費用を払うタイアップ型。ひとつは売れた分だけかかる成果報酬型。もうひとつは、マイクロやナノに少額で数多く出してもらい、購入に近い投稿を量で集める型。この三つを揃えたサービスもあります。

広く知らせる、成果で払う、量で集める。狙いによって選ぶ型が変わります。
広く知らせる、成果で払う、量で集める。狙いによって選ぶ型が変わります。

選び方は目的次第です。発売直後でまず名前を知ってほしいなら、リーチの出るタイアップ。赤字を抑えながら試したいなら、売れた分だけ払う成果報酬。単価が低くて広告費を厚くかけにくい、あるいは特定のコミュニティに深く届けたい商材なら、マイクロやナノとのマッチングで量を集める。購入に近い投稿が数多く残ります。

正直、ここを「とりあえず認知でもとれば」と曖昧にしたまま発注すると、出てきた投稿が狙いとズレます。欲しいものが認知なのか、濃い反応なのか。先に決めておくだけで、頼み方は自然と絞れます。

人選・交渉・投稿管理・効果測定と、自分で全部回すと担当者の手はかなり取られる。だから最初の目的決めに時間をかけた方が、後が楽です。EC・D2Cの売上を伸ばす全体像で書いた通り、商品・チャネル・販促を別々に外注すると施策がばらつきます。

UGCマーケティングが回るかは「依頼されなくても投稿したくなる」かで決まる

インフルエンサー施策が一過性で終わるのか、それとも勝手に広がり続けるのか。分かれ目は、結局依頼されなくても投稿したくなる商品かどうかです。

お金を払って投稿を出してもらっているうちは、お金が止まれば拡散も止まります。頼んでいないお客さんが自分から撮って上げてくれて、はじめて費用と切り離して回り出します。

依頼した投稿だけで回す施策は、予算が続く間しか伸びません。広告費を絞った瞬間に、投稿数も再生数も落ちる。効いてくるのは、買った人が頼まれてもいないのに写真を撮って、ストーリーに上げてしまう状態です。

その「撮りたくなる理由」は、キャンペーンで後から作るより、見た目や使い心地そのものに最初から入れておきます。箱を開けた瞬間の気持ちよさ、机に置いたときのかわいさ。こういう見せたくなる要素を開発の段階で仕込んでおいた商品は、広告を止めても投稿が出続けます。

Instagram:保存とシェアが起きる外見にする

媒体ごとに、投稿を広げるかどうかを決める仕組み(アルゴリズム)は違います。お客さんの目に入る前に、まずこのアルゴリズムに拾われないと露出は伸びません。だから商品の見た目を媒体に合わせて作りにいきます。

Instagramが重く扱うのは保存とシェアです。「いいね」より、後で見返すために保存される、友だちに送られる。保存やシェアが多い投稿ほど露出が伸びます。まず部屋に置きたくなる見た目に寄せます。生活感のある棚やデスクになじみ、置いた写真そのものが一枚の絵になる。すると買った人が、自分の部屋で撮って上げたくなります。

媒体ごとに拾われる入口が違う。Instagramは保存・シェア、TikTokは最後まで見られたか。
媒体ごとに拾われる入口が違う。Instagramは保存・シェア、TikTokは最後まで見られたか。

ここで邪魔になるのが、成分表や効能の細かい文字です。全部パッケージに詰め込むと薬っぽくなって生活の中で浮きます。浮いてしまうと撮る気が失せます。だから法律で容器への記載が必要な表示はそのままに、それ以外のアピール文や細かな説明だけを本体から外して、同梱のカードやLPに逃がします。ボトルやパッケージの方は、部屋に置いてさまになる見た目に寄せます。投稿が保存・シェアされれば、広告費を足さなくても露出の機会が積み上がっていきます。

成分表をびっしり刷り込んだパッケージから、情報を外して投稿されやすい見た目に寄せると、撮られ方が変わります。
成分表をびっしり刷り込んだパッケージから、情報を外して投稿されやすい見た目に寄せると、撮られ方が変わります。

TikTok:最後まで見られた動画だけが次に配信される

同じ素材をTikTokにそのまま流しても、大抵伸びません。見られている指標が別だからです。TikTokで効くのはリテンション、つまり最後まで見られたかどうか。冒頭で離脱されればそこで終わりです。最後まで見られた動画ほど次の人にも配信されやすくなります。

静止画だけの素材は、数秒でスワイプされて終わりです。最後まで見せるには動きがいります。中身がとろっと垂れる瞬間、容器を振る音、開封して使い始めるまでの動き。食品なら盛り付け、家電なら使った直後の変化。この動きとASMR(耳に心地よい音)で、最初の数秒で続きを見たくさせる。Instagram用の静止画ベースでは越えられません。最初からTikTok用に動く映像で撮る方が外しにくいです。見られている指標に合わせて作るのは、Amazon・楽天モール攻略と同じ考え方です。

集めたUGCは二次利用前提で、広告にもLPにも活かす

投稿してもらった素材を、その1回で終わらせるのが一番もったいないです。集まった写真と動画は、最初から広告・LP・商品ページにも使えるよう撮影指示を出します。「この動画は後でAmazonのサブ画像にも使うので、商品が正面で映るカットを必ず入れてください」。撮影のときにこう一言入れておくだけで、後から使い回せる素材になります。

集めたUGCをバンクにためておけば、一つの素材が広告クリエイティブにもLPにもモールの商品ページにも回せる。
集めたUGCをバンクにためておけば、一つの素材が広告クリエイティブにもLPにもモールの商品ページにも回せる。

UGCをバンクにためておくと、いろいろな場面で活かせます。実際に使った人の動画は広告っぽさが薄いので、クリエイティブに回せばCTRが上がりやすい。LPの中盤に口コミとして並べれば、買う直前の不安をやわらげる。Amazonや楽天の商品ページに置けば、利用シーンが伝わってCVRが動く。ただし美容やサプリは要注意で、効果をうたうお客さんの声はそのまま薬機法・景表法にひっかかります。「これで○○が治った」「シミが消えた」系は、本人の体験談でも広告やLPには貼れません。二次利用する前提なら、どこまで言えてどこからアウトかの線引きを先に決めておく。ここを言葉で売るコピー側で詰めておくと、後から差し止めで素材を全部捨てずに済みます。

CPAを確認しながら効く動画のパターンを逆算する話は効く広告クリエイティブとKPIの逆算に書いた通りで、UGCはその素材が多く残ります。

結局、話は最初の商品づくりに戻ってきます。保存される見た目で、最後まで見られる動きがある商品なら、頼んでいないお客さんの投稿が勝手に増えます。UGCバンクに素材がたまり続け、費用を絞っても枯れません。投稿してくれるお客さんを増やす話は、買ってもらった後のリピートとLTVの伸ばし方とも地続きです。商品そのものを撮られやすくしておくのが、一番安く効く投資だと自分は思っています。

最後に

インフルエンサー施策がうまくいくかは、誰に頼むかの前に、商品が「撮りたくなる出来か」でほぼ決まります。撮りたくならない商品を、どれだけフォロワーの多いアカウントに渡しても、その日だけ少し伸びて終わる。部屋に置きたい見た目で、動きと音で最後まで見てもらえて、素材も二次利用できる。そういう商品なら、起用は伸びるきっかけになります。

まずは今の施策の素材を、一度棚卸ししてみてください。撮ってもらった動画が、広告にもLPにも商品ページにも使えているか。使えていないなら、投稿者だけの問題ではありません。商品が撮られにくいというサインです。パッケージ、同梱物、開封体験。ここを一段整えるだけで、同じ起用予算でも投稿数や広告素材の質が変わってきます。

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